Gallerie dell’Accademia di Venezia 2018Back

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◯ Overview

ヴェネツィアにあるドゥカーレ宮殿の中で。 「これはわかりやすいね」としまださんが言う。 聖書で起きたことを順番に、誰にも理解できるような絵柄で描いた教科書のようなキリスト教美術に出会うことがたまにある。 それは美術館であったり、教会であったり、宮殿であったり。 そんな時は異国の自分でも、この文化と美術を楽しんでいいよ、と許されたようで嬉しくなる。 ありきたりなことだけど、「絵」というのはすごい。 イタリア語は読めないけど、絵であれば言葉よりははるかに理解ができる。 それはただ状況を説明するだけの時もあれば、その感情や瞬間の雰囲気を体現することもある。 きっとこの祭壇画を見た時、この画も空間もここまで黄色く輝いていなかったと思う。 貴重なものであることは間違いないのだけど、もっと仄暗い中にポツンと正面を向いて佇んでいた。 でも近づいて観るとそれは表情を変えた。 聖書の中の神々しい物語を、一場面ずつ語るように丁寧に教えてくれる。 絵本のような優しい存在となって。